落合陽一さんの本に導かれ、若き研究者たちの輝く瞳に出会う。
■魔法の世紀
アマゾンでこの本を買った。
- 作者: 落合陽一
- 出版社/メーカー: PLANETS
- 発売日: 2015/11/27
- メディア: 単行本
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単行本は2484円。Kindleならその半額、1200円くらいだった。紙の本と電子書籍の価格差がこんなにあるなんて。いつもは紙の本しか買わない私も、ちょっと迷った。1200円の差は大きい。(ちなみに今見たらKindle unlimitedで0円だった・・・)
でもやっぱり紙にした。私はアナログ人間だから、電子書籍だと読んだ気がしないんだ。
本、すごく面白かった!
コンピューターがその存在を意識させないくらいまで高度に進化した世界。私には想像もできなけど、いずれはそうなるんだって。それで、意識されないほど高度なテクノロジーはもはや魔法みたいなもの、ということで「魔法の世紀」。
作者の落合さんはメディアアーティストで・・・って聞いてもピンと来なかったけど、こういうのを作っているみたい。動画を見たら「うわぁ・・・」って感動。何がどうなっているのか全然ついていけないけど「こんなことができちゃうんだ!」って。
Fairy Lights in Femtoseconds (short abstract)
空気分子をプラズマ化したものをフェムト秒(10の-15乗秒)だけ触ることができる。人間の感覚器の解像度を超えた範囲で光を扱うと、今までは視覚でしか体験できなかった光が触覚的にも体験できるって。
Pixie Dust Levitation Technology Short version(2014-)
超音波で小さい球を浮かせて、グラフィックを作る。形あるメディアじゃなくて、ディスプレイをその都度つくるっていうのを目指したんだって。
■落合陽一さん
本を買ったのは、落合さんのトークイベントに申し込んだから。って言っても、落合さんのことはそれまで知らなかったんだけど。サンジャポにも出てる人みたい。
落合さんはデジタルの最先端の研究をしている天才って書いてあったから、勝手にデジタルな人なんだろうなって想像してた。超頭が良くて、クールでドライで合理的で、何でも1か0みたいな。
でも、ちょっと違った。
もちろんすごく頭が良くて、私とは全然見えてる世界が違うんだろうなって思ったけど(当たり前・笑)、人を寄せ付けない感じは全然なかった。どこかあったかい人だって思った。
大学の先生でもあるんだけど「学生に時間を使うのも好き」って言ってた。学生さんのこと、ちゃんと考えてるんだなーって思ったんだ。ちなみに学生さんには「社会にむかつく状態」と「社会のためにという状態」が交互に来るように指導してるらしい。
それと、自分の中に富がたまるのは良くない、とか、Googleみたいに独善的な利他性を追う人が社会に増えた方がいい、ってことも言ってた。なんかね、俗世間のくだらないことから離れたところにいる感じだった。
もう一つ印象に残ってるのが、圧倒的物量による経験が必要だってこと。すごい人には、ちゃんとそれを裏付けるものがあるんだよね。圧倒的物量。がんばらなきゃって思いました。
■サイン
トークの後にサイン会があった。デジタルの時代に紙の本なんて買っちゃって!とか思われちゃうかな・・・ってちょっとドキドキしながら列に並んだ。
でも、全然そんな人じゃなかった。
サインと一緒に自分の名前を書いて欲しい人には名前を書いてくれたんだけど、私の前の人は少し難しい漢字だったみたい。「なんとかのなにっていう字です」って色々説明してたけど全然伝わってなかった。そしたら落合さんは、紙を出して「ちょっとここに書いてくれると嬉しいな。いつも予測変換しかしないから・・・」って、なんだか優しかった。
で、私がもらったサインはこちら。
サインの下にひと言添えてくれたっぽいのだけど、何て書いてあるのか分からない・・・(苦笑)でも、ちょっと分からないとこがある方が、それっぽいかなって。本もトークも私の理解の及ばないところがあって、それも含めて今回の思い出。
■DIGITAL CONTENT EXPO 2016
DCEXPO2016 | コンテンツ技術をテーマとした国際イベント
You Tubeじゃなくて実物見たい!って思って、行ってみた。落合さんの研究室を含め、色んな企業や大学の新技術が展示されてた。どれもこれも、すっごくおもしろかった!
これは落合さんたちの作品。すごーく近くに寄ったら音楽が聞こえた。
Dragon Night♪ Dragon Night♪(SEKAI NO OWARI)
これは、上のYou Tube動画の超音波と同じ技術を使ったスピーカーで、説明文によると・・・
何もない空中に点音源を自在に配置することができます。(中略)我々の点音源スピーカは狙った人物にのみ耳元でささやくように音を聞かせることができます。(中略)美術館などで展示ごとに異なる解説を来場者に聞かせたり、カフェなど騒がしい場所で人を呼び出したり、デジタルサイネージで道行く人の携帯端末に連動して音を届けたりする用途が考えられます。
つまり、「天の声」っぽく、ピンポイントで狙った人に音を届けられるらしい。万引きしそうな人にダメだよってささやいたり、とか。
色んな技術と同じくらい感動したのが、出展企業の技術者や大学の学生さんたちが、すごくイキイキしていたこと。みんな自分の開発した技術をすごく嬉しそうに説明してくれた。
みんな、瞳がキラキラしてた。
あ・・・私、こういうの忘れてたな・・・って。なんかちょっと考えちゃった。
外に出なきゃって思う。自分がいる世界の外を見に行かなきゃ。そのきっかけになるんなら、電子書籍でも紙の本でもどっちでも。
ただ、サインをしてもらった紙の本は、私の大事な一冊になった。