コロナを機に|明日やれることは明日やろう

この数年、詰め込むように仕事をしてきた。「今日できることは今日のうちに」「明日の分も今日やってしまおう」と。毎日仕事を家に持ち帰って、数時間しか寝なかったり、徹夜したり。やりたいことがたくさんあるんだからやむなし!と、そういう日々を肯定してた。


でも、コロナになって、本当にそれでよかったんだっけ?と立ち止まることになった。


在宅勤務になり、息子が小学校から帰ってくる時に家にいられるようになった。息子は6年生。カギを持っているのに、毎回ピンポンを鳴らす。なんでだろ?と思ったけど、インターフォン越しに「おかえり」と言うといつもすごく嬉しそうで、「あ…ピンポン鳴らしたかったんだ…」って気づいた。ずっとかぎっ子だったから、ピンポン鳴らして私がおかえりって言う、それだけでも嬉しいんだなって。


コロナになる前、私は仕事でエネルギーを使い果たして帰ってきて、手抜きごはんを作って、お風呂にお湯を入れてるうちにソファでバタンキューという毎日。最初は「ママ寝ないで」と言っていた息子も、そのうちソファで寝ちゃった私に毛布を掛けてくれるようになった。その後しばらくは「ママお風呂入ろう」って起こしてくれてたけど、私がうつらうつらすることが多いから、いつしかお風呂が沸いたら息子一人で入るようになった。しまいには、お風呂の後、髪を乾かして、歯磨きして一人で寝るように。私がソファで、はっ!と起きて慌てて寝室に行くと息子はベッドの中でスヤスヤ。おやすみも言えなくてごめん…と心の中でつぶやいて、私はそこからまた仕事をしてた。


息子はあっという間に大きくなった。私の意識が仕事に傾き、少しずつ息子との時間がなくなっていることに気づかないでいるうちに。今の息子との時間は今しかないのにね。息子のピンポンでやっとそのことに気づいた。


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少し前にこの本を読んだ。個人の生産性をあげよう!っていう内容。

「仕事が終わらない」「やることが多すぎる」「私は仕事が遅い」と悩んでいる人の多くが「働く時間を増やす」という暴挙に出ます。(中略)インプットが増やせる環境で生産性が上がる人はいません。「できるまでやる!」「徹夜してでも仕上げる!」「とにかく頑張る!!」というのは、労働時間の追加投入を是とする超危険な発想です。


まさに私のこと。ワタクシ、超危険な発想を持ち、完全に暴挙にでておりました。このままだと私は際限なく忙しくなってしまうし、永遠に生産性が上がらない…(泣)


というわけで、


仕事に投入する時間を大幅に減らした。夜は仕事をしないようにして、徹夜もやめた。「明日できることは明日やろう」の精神で仕事を詰め込むのをやめた。そうやって毎日先送りしていると、あふれる仕事も出てくるけど、あふれたのはやらなくていいってことにした。今のところ、それでなんの問題もない。


そして、息子にちゃんとおやすみなさいが言えるようになった。


やらないよりはやった方がいいという程度の仕事をやり切って小さな満足を得るより、おやすみを言うことの方が今の私には大事。


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この数年まともに大掃除をする余裕もなく過ごしてきたけど、今回は玄関も掃除して、はじめてお正月飾りを飾った。


いつの間にか手放してしまったものを取り戻す一年にしたい。