41にしてゆるゆると自分探し、かなぁ。

You are so young! You can do whatever you want!


女性活躍系の研修で訪れたカナダ。現地企業の女性エグゼクティブに年齢を聞かれ、何気なく37と答えたら、オーバーなほどポジティブな反応が返ってきた。


37でso youngと来たか…。


当時の私にとって37才は若くはなかったし、これから先の会社人生だってなんとなく想像できていた。その想像の範囲内でやりたいことはできるだろうけど、新たな人生を拓くというスケールでの「なんだってできる」という感覚はなかった。


あれから4年。今、この言葉を思い出している。


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この間、宇宙のベンチャー企業の若者たちと仕事をした。といっても、彼らはそのベンチャーに属しているのではなく、本業は別にあった。データサイエンティストだったり、マーケティングの仕事だったり、大学院生だったり。ベンチャーは副業。それに加えて、大学と共同研究をしたり、ネット配信をしたり。20代の彼らは、色んなことをやっていた。


夢に向かって一直線というより、夢も自分の可能性も、どんどん拡げていこうとしているようだった。若くて自由。可能性に満ちた彼らの周りには私の知らない世界が広がっているようで、なんだかまぶしかった。


私もおばちゃんになったもんだ。確かに、手元のピントは合いにくくなったし、パソコンに向かっていると肩は凝るし、徹夜はほとんどできなくなった。


でも。


私も4年前はSo Young だったのだ。今だってSoはつかないにしても Youngなんじゃないか。と自分を励ましてみる。


ただいま41才。70才まで働くとしてあと30年・・・今の会社であと30年働くのは、どう考えても飽きてしまいそう。というか、30年もあるなら新しいことにチャレンジできそう。70才の私から見たら41才の私は確かにYoungなのだ。


次は何をしようかなぁ…?


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小学生の私は推理小説ばかり読んでいた。毎週図書館に通ってアルセーヌルパンとかシャーロックホームズを借りていた。中学生の時、父がイギリスのお土産に買ってきてくれたのは、パイプをくわえたホームズのシルエットが入った小さな額縁。この頃、ぼんやりと将来は探偵になろうかなと思っていた。


高校生の時、見学した警察署で鑑識の技術を見せてもらった。犯人の足跡を写し取る薄いフィルム。床の上に置いて足跡が写し取れるところを警察官が見せてくれた。さらに「もう一回、床に敷くと、もうひとつ下にある足跡まで取れるんだよ」なんて言う。「何それ!すごい!!」と私は目をまんまるにしていた、はず。この時、将来は鑑識の技術を研究する人になる!と思った。


大学では鑑識の研究所に入れるように、それっぽい分野を専攻した。でも、探偵の道も諦められなかった私。ある日チラシで探偵スクールなるものを見つけ、体験入学に行ってみた。そこで、衝撃の事実を知ることになる。日本の探偵は浮気調査がメインで事件の捜査なんてしないのだ!そんなの考えてみればあたり前なのだけど、私はホームズを読みすぎていた。そのスクールでは盗聴器の発見の仕方を習ったが、探偵になって難事件を解決するという私の夢はついえた。


その後、私は鑑識の技術を研究する人にもなっていない。就職活動で科学警察研究所というところに応募して、1回くらいは面接もクリアしたのだけど、途中で選考を辞退した。同時に受けていた今の会社を選んだからだ。今の会社の同期に出会い、研究よりも人と関わって仕事をする道を選んだ。研究所に辞退の電話をした後、ちょっとだけ泣いた・・・なんてことを思い出す。


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こうして私は探偵にも警察にも研究にも関係ない今の仕事に就いた。1ミリも後悔はしていない。でも、ふと思う。この先30年あるなら、就活の時に選ばなかったもうひとつの道に進むことだってできるんじゃないかと。もちろん年齢制限はあるかもしれないけど、それくらい選択の自由度はありそうだ。


これから先、誰とどこでどんなことをしたいのか。41にして自分探ししてみよっかな。別にいいよね。今の私は無限の可能性を秘めたYoungなのだから!と思い込むところから。