白いセーター

母から小包が届いた。私の誕生日プレゼントに白いセーター。ショッピングモールでウロウロ迷って選んでくれたみたいで、着てもらえたら嬉しいです、とカードに添えてあった。 母は自分のためには全く贅沢をしない人で洋服屋さんにもほとんど行かない。そんな…

『すばらしき世界』を観て。

wwws.warnerbros.co.jp この映画を観たことを残しておきたいと思った。日常の中の冷たさと温かさ。普通に生きている時は存在さえ意識しない空気のようなものだけど、時に透明な壁となって誰かを突き放したり、時にじんわり誰かの心にしみこんだり。見えるよ…

同期や後輩が先に昇進したらそんなに悔しいの?

先輩が言った。同期が先に課長になった時は悔しくて、夜寝ている時に歯ぎしりをしていたと。別の先輩も言っていた。後輩が先に昇進した時は悔しくて、朝のランニング中に涙が止まらなかったと。いずれも男性の先輩。 私にはない感覚。そんなに悔しいなんて、…

41にしてゆるゆると自分探し、かなぁ。

You are so young! You can do whatever you want! 女性活躍系の研修で訪れたカナダ。現地企業の女性エグゼクティブに年齢を聞かれ、何気なく37と答えたら、オーバーなほどポジティブな反応が返ってきた。 37でso youngと来たか…。 当時の私にとって37才は若…

コロナを機に|明日やれることは明日やろう

この数年、詰め込むように仕事をしてきた。「今日できることは今日のうちに」「明日の分も今日やってしまおう」と。毎日仕事を家に持ち帰って、数時間しか寝なかったり、徹夜したり。やりたいことがたくさんあるんだからやむなし!と、そういう日々を肯定し…

べき論よりも好きなことを追いかけて

「やるべきことなのでやってもらわないと。5分の時間もないんですか?」 業務を簡素化できないかと相談する現場の若者に向かって、その業務を依頼した部門の人が言った。思わぬ反応に面食らいながら、私は間に入って、現場の状況を代弁する。 「物理的に5分…

「雇用を守る」は絶対なのだろうか

「心配しなくても10年後には定年退職でごっそり人が減るから」 雇用を守り続けるべきなのかと聞いた私に先輩はこう言った。でもさ、このまま10年経ったら、雇用を守っても中身はスカスカの会社になってると思うんだ。 ◆◆◆ うちの会社は新型コロナの影響をも…

一年通ったビジネススクールで教わったこと

去年の4月、会社の先輩がビジネススクールに誘ってくれた。先輩が通っていて、私にもどう?と。特に断る理由もなく、私は直感でYESと答えた。 スクールは土曜日の午後。財務、経営、エネルギー、メディア・・・毎回さまざまな分野の一流の方が講師として来て…

アウトローと呼ばれるまで

「部長の下では働けません」 目の前の部長にそう言って、私は席を立った。自分の膝が震えていたのを覚えている。 カイゼン活動を担う部門に異動して2か月が経っていた。私に大人しくオフィスで仕事をしていて欲しい部長。あちこち動き回りたい私。現場をカイ…

誰かに嫌われるということ

小学6年生の時、同じクラスの友達に工藤静香のシングルCDを貸した。しばらくして返ってきたそのCDの盤面は傷だらけになっていた。何本も何本も、縦に横に、線が入っていた。 今は分かる。その子は私のことがキライだったのだと。どの傷も自然についたという…

後輩が会社を辞めた

会社の中のたった5人のチーム。そんなちっぽけな世界で、もがいているうちに時間が経ってしまった。 ◆◆◆ 昨年9月。 後輩が会社を辞めた。以前も書いた同じチームの10コ下の後輩。彼は今の部署になじめていなかった。 7月のこと。何気なく上司に後輩の話をし…

最後の一冊

「すごくステキな本だから、見せたいと思いまして…」 上司の隣の席に座って、パラパラとページをめくりながらストーリーを説明しはじめる私。 またなんか変なこと言い出したぞ、コイツ…という表情で、半分呆れながらも付き合ってくれる上司。 ◆◆◆ その本はこ…

捨てることがこんなに苦しいなんて知らなかった

私は今、会社の新しい事業を考える部署にいる。 うちの部で、ずっと検討していたひとつの新事業があった。でも、それが既存の事業とかち合ってしまうことが分かって、うちの部の案件は断念せざるを得なくなった。役員同士で話し合った結果。 「捨てることが…

人事評価

「今年度はA評価を取らせる。その分、難易度の高い業務をやらせるし、多くのことを課していくけど、頑張ってついて来てな。」 育児休職から復職して1年経ったある年の4月。私は、直前に異動になっていて、新しく上司となった人に面談でこう言われた。 さらに…

明日後輩が異動になっても、後悔しないだろうか。

そう自分に問いかけて、問いかけて、何とか後輩と向き合う。 同じ部署にいる10コ下の後輩。 彼はある国家資格を持っていて、そのことにすごく誇りを持っている。だけど、その誇り、プライドが、周りの人を遠ざけている。 失敗や弱みを隠すための小さなウソ。…

定点観測

久しぶりのアメリカ出張。飛行機から降りた時、アメリカのにおいがした。その時、思ったんだ。 あ、私、戦ってないな、って。 アメリカは私にとって、ささやかながら常に挑戦の地だった。高校生で留学した時も、初めての出張で取引先に出向いた時も、国際会…

わたしの本棚を彩る本

わたしの名前は「本」 六本木の青山ブックセンターにフラッと入って買った本。家に読まなきゃいけない本が山積みになってるから「もうこれ以上買っちゃだめ、見るだけ!」って思ってたけど、やっぱり買っちゃった。 だって帯に「親愛なる読者へ。わたしはあ…

なわとび

夕食の後。 「あ、ママ、明日学校でなわとびいるんだ。でも、ぼく、これ持って行くから大丈夫。」 そう言って、息子が持ってきたのは、あちこち折れ曲がったなわとび。何年か前に雑誌のオマケで付いてきたもの。オマケだもん、そんなにいいものじゃないから…

「行こう、どこにもなかった方法で」

蔦屋書店 珍しいなと思った。「私も読んでとてもいい本でした」って店員さんが言ったのが。蔦屋書店のトークイベント。ゲストは家電をメインに作ってるバルミューダという会社の寺尾玄(てらおげん)さん。イベントの最後に店員さんが寺尾さんの本をお薦めして…

ベトナム③ ベトナム人学生と祖国

ベトナム人学生 少し戻って、ベトナム研修のお話。気づけばだいぶ時間が経ってしまったけど、自分の記録のため。 私が、3週間派遣されていたのは人材紹介の会社。日本で働きたいベトナム人と、ベトナム人を採用したい日本企業をつなぐ仕事。そこで、日本で働…

異動になりました。

異動 異動になった。13年間いた技術系の部門を離れて文系の部署へ。勤務地も変わって、知ってる人もいない、新しい世界へ。 ずっと希望してたこと。 半年前に、新しい世界を見たいと上司に直談判した。この時に直談判した部署ではないけど、上司が別の異動先…

ベトナム② シクロのおじさんにぼったくられた!?

注意喚起 シクロっていうのはこれ。自転車タクシー。自転車の前にイスがくっついてる。 ガイドブックにはこう書いてあった。 都市部ではシクロは交通機関というより観光客相手の商売になりつつある。悪質なドライバーが非常に多いことを覚悟しておこう。無用…

ベトナム① ホーチミンの喧騒の中で悠々と生きる人々

ベトナムの基本的なこと 時が経つのは早いもので・・・ あっという間にベトナムに出発する日が来て、あっという間に3週間の研修が終わり、あっという間に帰国。気づけばブログも前回の更新から2か月。読者になってくださっていた皆さま、すみません…。 今ま…

さらば愛しきガラケーよ

ガラケー愛 二つ折りを開けば「そのパカッて音、懐かしいなぁ」とおじさんをノスタルジックにし、若者に見せれば、タッチスクリーンじゃないのに親指と人差し指でなんとか画面拡大!という無謀なるも果敢なチャレンジを促す。そして、今や受信メールの絵文字…

海外研修に行けることになりました!

吉報来たる この間の続き。行かせてもらえるかどうか、受け入れ先があるかどうか、ハラハラドキドキして待ってた海外研修。無事に行けることになりました!! やったぁ~!!! 派遣先は・・・ベ・ト・ナ・ム です!! 早速、ベトナム本を大人買い。大好きな…

脱・真面目で従順な組織人

読むのを躊躇してた本 有名企業からの脱出 あなたの仕事人生が?手遅れ?になる前に作者: 冨山和彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2016/10/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る去年の秋に発売された本。 冨山さんの本はだいたい発売されてすぐに読…

会社の飲み会なんて・・・と思っている若者たちへ

ジェネレーションギャップ!? 「忘年会やめませんか?」 去年の年末のこと。部の忘年会の幹事を任された6つ下の後輩がこう提案した。うちの部は、毎年、会社の食堂で忘年会をやる。会費は2000円で、仕事終わりに軽く一杯って感じ。毎年80人くらい集まる。 …

異動先を探して直談判

意思表示 I want to be on the side to make decisions. Because I care so much about this industry. 私はものごとを決める側にいたい。だって、私はこの産業のことをすごく真剣に考えてるから。 私と同世代のアメリカ人の友達の言葉。I care so much abou…

はたして手に入るか !? 海外研修の切符

海外研修への道 年末、会社で海外研修の募集があった。 海外に進出してるベンチャー企業に行って、現地で3週間、一緒に仕事をさせてもらうというもの。ベンチャー企業のものの考え方や仕事の進め方はもちろん、異なる文化圏でビジネスをするってどんなことか…

今年は量で勝負します。情報の量と思考の量。

お正月のカフェ 1月2日 朝10時。駅前のカフェに入った。のんきにクリーム山盛りココアを飲む私の横で・・・ 右隣の人は、参考書とノートを広げてお勉強。グラフを描いてた。左隣の人は、博士論文を読みふける。タイトルをこっそり見たけど、理解できる単語が…