「星のや 竹富島」と「田舎に泊まろう!」

本から広がる世界


星のや。星野リゾートのホテルブランド。ちょっと高級。この本を読んでから、ずっと気になってて、ついに行って来ちゃいました。


体験デザインブランディング コトの時代の、モノの価値の作り方

体験デザインブランディング コトの時代の、モノの価値の作り方

  • 作者:室井淳司
  • 発売日: 2015/05/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

てんぷらと言えばエビ・・・じゃなくて、サツマイモ!!!という家庭で育った私。


そんな贅沢したことないから、どうする?どうする?って何日も考えてから、最後は自分の直感を信じて、清水の舞台からジャーンプ!


この本には「お客さまの体験をデザインする」っていう観点でブランド戦略を考えた企業の事例が載ってる。スタバ、青山フラワーマーケットドン・キホーテ、星のや・・・


星のやでは「集落」っていうコンセプトで宿泊者の体験がデザインされてるみたい。そこでは、従業員は村人。お部屋にはテレビもない。
※本に載ってたのは軽井沢の星のや、私が行ったのは竹富島なので全く同じではないかも。


星のやに行きたかったのは、全てが一つのコンセプトのもとにデザインされた空間で、本当のおもてなしを肌で感じたかったから。


空間デザインとおもてなしって、うちの会社が頑張りたいところだから。ま、私が勝手にそう思ってるだけだけど。


星のやの心地よさの源


星のや、とってもとっても、よかった。何がって、スタッフの皆さん。


みんながみんな、すごく感じがいい。穏やかな笑顔に人柄の良さがにじみ出てて、温かくて、誠実で。女性の皆さんは、健気な感じがして、どこかかわいい雰囲気。慇懃無礼な感じとか、気取った感じはみじんもない。


もちろんプロなの。おじぎの姿勢とか、すごくちゃんとした感じがしたし、夕食の時のお料理の説明もとても上手だったし、聞いてるのが楽しかった。軽めの白ワインをくださいってお願いしたら(全然ワインとか分からないから・・・)すっごくおいしいワインを持ってきてくれたなー。


それと、建物がステキなのはもちろん、その空間を構成する大切な要素としてスタッフの皆さんの雰囲気もちゃんとデザインされてるんだなーって思った。ユニフォームもかわいかった。小さいポシェットを下げて。笠をかぶってる人もいたなぁ。


皆さんの雰囲気と空間がすごくマッチしていて、よりいっそう温かみが伝わってきた。


スタッフの方のたたずまい


帰る日。


男性と女性のスタッフの方が一人ずつ、お見送りのため表に出てきてくれた。私たちの乗ったバスが出発する時、門の前に二人並んですごくきちんとしたおじぎをして、お見送りをしてくれた。それから、顔を上げて、バスが遠く離れるまでずっと笑顔で手を振ってくれて。私も嬉しくて、手を振り返した。


最後に、バスから見える二人の姿がもう小さくなった時、もう一度、二人そろって深々とおじぎするのが見えた。ジーン・・・としちゃった。とってもていねいで、とってもあったかかった。


田舎に泊まろう!


昔、私は「田舎に泊まろう!」っていう番組が大好きだった。芸能人が田舎に行って、今晩泊めてくださいって、一般の人と交渉するの。もちろんアポなし。結構、断られちゃったりする。


ようやく泊めてくれるおうちが見つかって、夜ごはんをごちそうになって、お風呂に入らせてもらって、そのおうちの人とお酒も飲んだりして、就寝。


次の日に「一宿一飯の恩義」っていって、芸能人の人が何かお返しをするの。畑仕事のお手伝いだったり、おばあちゃんにマッサージしてあげたり。


そして最後に都会に帰る芸能人をみんなでお見送り。私は、ここでいっつも涙・・・。


だって、おじいちゃんとかおばあちゃんとか、ずーっと手を振ってるの。芸能人が見えなくなるまで、いや、見えなくなっても、ってくらい。ずっと立ってるのしんどいでしょ、って思うのに。ずっとずっと手を振ってる。


私のおばあちゃんもそうだったなぁって。私のお母さんもそうだなぁって。


星のやでお見送りをしてくれたお二人にも、そういう温かさを感じたんだ。


結局は、人のこころ、なんだと思った。うちの会社にもお客さまと接する社員がたーくさんいる。大切なのは、サービスフロントのみんなの心の内にある優しさをちゃんとお客さまに届けるってことなんだなって思った。みんなが自然に優しくなれたり、笑顔になれたりするような環境をつくらなきゃって。


貯金はすっからかんになって、身の丈に合わない贅沢をしちゃったけど、いつもとは違う世界を見て、ホントにプライスレスな時間だった。仕事のヒントももらったし、本当に大切にしたいものも再発見。


また背伸びして見たい世界を見に行こう!