サラリーマン・ワールドの外で見つけたもの
和菓子職人のユニット、wagashi asobi(わがしあそび)のお二人のトークイベントに行ってきた。この本の出版記念。
- 作者:wagashi asobi
- 発売日: 2016/04/15
- メディア: 単行本
通勤途中に読んでて泣きそうになる。この人たち、すごく優しい。すごく勉強してる。すごく考えてる。それから、人とのつながりを大切にしてる。
お二人は商店街の小さな和菓子屋さんを営む。商品は「ハーブのらくがん」と「ドライフルーツの羊羹」の2つだけ。お二人の自信作。
地域に自慢の和菓子屋さんがあって、お友達が遊びに来た時は、そのお店の和菓子でおもてなし。どこかへ遊びに行く時は、そのお店の和菓子を手土産に持っていく。その和菓子を食べた人たちに喜んでもらって。そうして人の心と心をつないでいく世界を思い描いてる。温かい。
◇◇◇
トークイベントの日。仕事の後、電車を乗り継いで1時間半。なんとかギリギリ間に合った。
40人くらい来てたかなぁ。二人の和菓子のファンの人たちなのかなって思ったけど、単なるお客さんじゃない人たちがたくさんいた。デザイナー、ミュージシャン、お茶の先生、お菓子屋さん・・・。アートなみなさん。
私だけ、ザ・サラリーマン。
まずね、メモを取ろうとしてるのなんて私くらい。みなさんは、メモなんかより、その場の空気に浸って、そこで自分が感じ取るものを大切にしてるって感じだった。何かを得よう!学ぼう!とかそういう、前のめりな雰囲気じゃなくて、その場にいることを楽しんでる感じ。感性を大事にしてる、っていうのかな。
それに、みんな次々に質問するの。会社だと、それホントに興味ある?ってつっこみたくなる質問とかあるけど、そんなの一つもない。カッコいいことを言わなきゃなんて構えてる人はいなくて、本当に心から聞きたいことを聞いている感じ。
それもこんな質問。
「今、お二人にはどんな景色が見えていますか?」
ステキすぎる。
wagashi asobiのお二人も聞きに来ている人も、みんな自然体だった。飾らないで、穏やかで、温かくて。それと、ガツガツはしてないけど、夢を持ってる感じ。すごくいいなぁって思った。
◇◇◇
私はサラリーマンの世界で、がんばらなきゃ、がんばらなきゃって感じで生きてきた。1分、2分を惜しむように本を読んで仕事のことを考えて。
でも、「お前が気にしてることなんて誰も気にしてないよ」だし、「会社を変えたかったら偉くなれ」だし、「偉い人たちに分かる言葉で話せ」だもん。
ちょっと窮屈。私、昔はもっと自由だったと思う。授業中、ぼーっと外を見てたもんなぁ。そんな時間が私の宝物でした、って卒業文集に書いた気がする。
今回のイベントに行って、みなさんのつくる温かい世界に触れて、あぁ、私こういうの好きだなぁって思った。
時々はサラリーマンワールドの外に出て深呼吸。自分にとって大切なものを思いだそっと。