部長たちに一緒に考えて欲しくて、一球入魂。

半年に一度、取引先のアメリカの会社とうちの会社の偉い人同士の会議があって私はその事務局をしている。双方、事業部長を筆頭に部長が10人ずつくらい出席する。


会議の目的は両社の関係構築ってとこ。事業部長から未来志向の会議にせよ!って指示があるだけで、何でも好きなことを議題にできる。うちの会社が顧客の立場でもあり。


そのアメリカの会社は大手の優良企業。会議に出てくるエグゼクティブたちも優秀。彼らが泊まるのはいつもリッツカールトン!(うらやましい)


だから、この会議はその会社の考え方とか業界の動向を勉強させてもらう絶好のチャンス!!・・・なんだけど、各部門に議題を募集してもほとんど何も上がってこない。


だから議題は私が勝手に考えてる。今うちの会社が向き合った方がいいテーマで勝手を考えて「うちのリーダーたちは、今回はこういうことを話したいと言ってる」と、あたかもうちの会社の総意であるかのように先方の事務局に伝える。


とは言え、私が考えたストーリーなんて超フワフワだから、先方の事務局も最初は「オ、オッケー・・・」って感じ。きっと頭の中は「?」の嵐になってると思う。でも、不思議なことに事務局同士で、あーでもない、こーでもないとディスカッションしてるうちに、いつの間にか形になっていく。


最初は「議題集まらない・・・どうしよーーーっ!」って焦ってたけど、最近は楽しめるようになった。なんてったって自分で全体の演出を決められるもん。それで偉い人たちがいい雰囲気で意見交換できた日にはよしっ!って。


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実質的に会社を動かすのはミドル層だから、ガンバレ、っていう本。私は作者の冨山さんの考え方がすごく好きで、冨山さんの本だから買った。


結果を出すリーダーはみな非情である

結果を出すリーダーはみな非情である

  • 作者:冨山 和彦
  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

  • いつどんな立場にいても、経営トップのごとく考え、決断し、行動せよ。
  • 仕事にストーリーを持って臨み、キャスティングを考え、舞台を演出せよ。


この本に書いてあるレベルには遠く遠くおよばないし、書くのもはばかられるけど(でも書いちゃうけど)私もこの会議の事務局の時だけは、社長になったつもりで考えてます!


◇◇◇


でも、私が議題を一人で決めてしまうのは、やっぱり本来の姿ではない。私と部長たちでは持ってる情報も違うし、普段から見えてる世界も違うはず。どういう会議にしたいか、本当は部長たちにも一緒に考えて欲しい。


そんな思いを込めて、私は毎回この会議の後に報告書を書いている。会議の内容をひと通り書いて、最後に「所感」を10行ほど。


この「所感」に一球入魂!世の中の動向から始まって、うちの会社の抱える問題、今回の会議がうちの会社にとってどんな意味があるのか、それぞれの議題にどんな思いを込めたのか、語る。たとえ誰も読まなくても、語る。次回は一緒に考えてね!というメッセージを込めて。


だが。まことに残念ながら、私の一球入魂はいまだ部長たちには届かず…。渾身の力を込めて、いざ報告書を配信!!した結果、返ってくるのが、誤字を指摘するたった一行のメールだったりする。


「3ページ目の○○が△△になってしまってますね。」


そ、そ、そりゃあ、間違えてすみませんでした・・・だけどっ!


そこかいっ・・・!!!!


ま、一歩一歩かな。