ようやく言葉が通じる人に巡り会えて、泣きそうになった。

「店長さん、でしょ?」


初対面の人だったからグッとこらえたけど、泣きそうだった。


予期せぬそのひと言が、嬉しくて。


心から、嬉しくて。


◇ ◇ ◇ 


この半年、ずっと一つの企画を考えてた。


うちの会社のある店舗のコンセプトをガラッと変えたい!っていうもの。そのお店、ちょっと時代にあってなくて、もったいないんだ。もっと物語が生まれる場にしたいって思う。


ただ、困ったことに、私は技術系の社員で、その店舗を管轄してる部門とは全くもって縁遠い。とりあえず、私は一枚の企画書をつくって、周りの人に話して回ってたの。「こんなこと考えてみたんですけど・・・」って。そのうちきっと担当部門の人にたどり着くでしょ!って思って。


でも、甘かった。


私の周りの人はみんな技術系の人。


みんな「うーん・・・よくわかんないけど、別にお前がそんなこと考えなくてもいいんじゃないの?」って反応。


まぁ、そりゃあ、そうなるわな・・・。畑違いの私がそのお店のことを考える必然性なんてないんだから。


半年間、共感ゼロ。担当部門の人にたどり着くどころじゃない。


この作戦じゃダメだ・・・もうっ!


って、ふてくされそうになった。


その時。


一人だけ分かってくれる先輩が現れました!


その先輩は、私の拙い話を静かに聞いてくれて「確かに、うちの会社にはそういう視点が必要だと思う」って言ってくれた。そして、イノベーション系の部門の人を紹介してくれた。「いつも新しいことを考えてる人だから、何かヒントがもらえるかもしれないよ」って。


◇ ◇ ◇ 


先週、先輩と一緒にその人に会った。


その人は、今どんなことを考えてて、どんな仕事をしているのか話してくれた。


しかも!!


来年度から、「提案制度」なるものをはじめるって言うじゃないですか!


社員がやりたいことを提案する。最優秀賞の一人は、通常業務から完全に離れて、自分の提案を実現するための活動ができる。もちろん一定の軍資金も出る。っていう夢のようなプラン。


「ホントですか!?私、本当にやりたいことがあるんです!!」


ここぞとばかりに、前のめる私。


でも、これまで周りの人に全然伝わらなくて、もはや自信がなかったから「たぶん理解してもらえないと思うんですけど・・・」って前置きしてから、私の企画を話した。


そしたら、予想に反して「いいね!いいね!」って言葉が返ってきた。「特にいいなと思った点は2つ。ひとつ目は・・・で、ふたつ目は・・・」って。


ウソ・・・!? 私の言葉が通じてる・・・!?


びっくりしてたら、その人がまっすぐに私を見て、冒頭のひと言。


「店長さん、でしょ?」って。


私がそのお店の店長さんをやるんでしょ、っていう意味。そんなの、あまりに予想外で、一瞬、言葉に詰まった。


「え・・・・・? あ・・・・・・ は、は、はいっ!!
って。


こんなにも、こんなにも、背中を押してもらったことはない。


もう泣きそうだった。


「私なんかでも店長さんをやれるかもしれないんだ!?」って、すごくすごく嬉しかった。それと同時に「それくらいの本気度で考えないとダメなんだ!」ってエンジンもかかった。


店長さん・・・そんな視点で考えたことなかったよー!


めっちゃ勉強しなきゃ!でも、めっちゃワクワクする!


がんばる!!


会社全体でたった一人の狭き門だけど、ワタクシ、チャレンジします。


私の心に火をつけてくれるのは、いつも誰かのひと言。
出会いに、ただただ感謝。