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はぐるま・タイムズ

組織の中でクルクルまわりながらキレイゴトを発信

会社をサボった。それだけの価値はあった。

会社の外の世界

■月曜日、会社をサボった


いや、ちゃんと有休を使ったんだけどさ。でも、いつもの休みとはちょっと違う。今まで、風邪とか、旅行とか、子供の学校の保護者会とか、ちゃんとした理由がある時しか休んだことなかった。でも月曜日は、ちょっと外の空気が吸いたいなっていう、それだけの理由で休んだ。


社内で言葉が通じなくてモヤモヤしてたから、ちょっと気分転換というか。

gear.hatenablog.jp


まぁ、はっきり言っちゃうと、会社に行きたくなかった。
で、ちょっと休んで展覧会に行っちゃお!って。


■サボって六本木へ


「デザインの解剖展」に行ってきた。

www.2121designsight.jp


明治の商品を解剖してる。パッケージのデザインから、素材、印刷、中身の色、味、原材料・・・って、外側から内側にどんどん分解されていくのが、展示されてる。

どの商品も本当に細かいところまで、全てに意味があった。細かいところまで、考えて、考えて、考えて、つくられてた。


きのこの山


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発売は1975年。高度経済成長で工業化が進む一方で、環境問題も起きてた頃。人々は里山ってよかったなぁ・・・って思うようになってたんだって。そんな時代の空気をとらえて「きのこの山」と命名。


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箱に描いてあるきのこは7粒。ほぼ実寸大。ひと粒ひと粒、中心から放射状に並べられてる。これで原木からキノコが生えている躍動感を表現しつつ、このイラストの上にあるロゴを下から持ちあげてる。ロゴと一体になった表現なんだって。これは、たけのこの里も同じ。


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内袋の風景はきのこの山じゃなくて、別の里山からきのこの山へと向かう途中の道らしい。よく見ると「きのこのやま」っていう道しるべの看板がある。


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外箱の切れ込み。これに沿ってペリペリペリって開けるよね。まじまじと見ると、結構、複雑な切り込みだった。切れ込みの長さや位置、先端部分の角度とか、ちゃんと考えられてて、ペリペリペリって開ける時に間違った方向に破れないようになってるんだって。


■明治エッセルスーパーカップ


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エッセル」=「エクセレント(優れた)」+「エッセンシャル(本質的な)」という造語らしい。おいしくて質が高い正統派アイスです、という意味を込めて。フタの上2/3には、おいしそうな、ちょっと溶けかけのアイスが描かれてる。


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でね、食べる時はフタを取っちゃうけど、容器だけの状態になってもフタの天面と同じ印象になるようになってる。アイスクリームを食べている途中でカップ全体を見下ろすと、リアルアイスクリームが上2/3、容器の側面が下1/3に見える。これって、フタの構図と同じ!これで、次にアイスクリーム売り場でフタの天面を見た時に、おいしいなぁって食べた時のことを、知らず知らず思いだせる!っていうしかけ。


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これは、中のビニールのフタ。直径は容器の直径より8ミリ長くて、4ミリ周囲にはみ出してることになる。このはみ出してる部分が、外ブタと容器の間のすき間を埋めて、軽い衝撃を受けても外のフタが簡単に外れないようになってる。


■明治おいしい牛乳


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左から初代(2002年)、二代目、三代目(今)。初代 → 二代目は、ロゴの変更。二代目 → 三代目は・・・・コップの角度が微妙に変わってるんです!真横だったのがちょっとだけ上から見た構図になってる。牛乳を飲む人の視点に一歩近づきました!


ちなみに、コップに牛乳を注いでる写真は、4枚の写真の合成なんだそう。①コップに注いでる最中の牛乳、②コップの全体像、③コップに注がれた牛乳の表面、④コップの底。


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細かくて読めないけど、これは、牛乳の色についての説明。牛乳って白い色素が入ってる訳じゃないんだって!牛乳の中には、タンパク質と脂肪のとっても小さい粒子が分散していて、光を全て反射するから白く見えるだけらしい。ちなみに光を全部吸収すると黒色。


この展覧会では、このくらいの文字量の説明パネルが1つの商品につき40枚くらいある。40枚×5商品。子供が学校から帰ってくるまでの3時間勝負だったから、全部は読み切れなかったけど、読んだすべての説明に感動してしまいました。


本当に、本当に、細かいことの積み重ねで、色んな人たちが色んなことを一生懸命考えて、こうやって永く愛される商品ができているんだなぁって。


■センスは知識からはじまる


センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる

会場を回りながら、この本のことを思い出した。センスのベースは知識なんだっていう本。センスって、生まれながらのものでも、才能でも、ひらめきでもないんだって。とにかく膨大な知識の集積がベース。だから、努力すれば誰でもセンスは磨けると。


例えば、色だったら隣り合う色は同系色か補色か。書体だったらその歴史的背景。どこの国で生まれた書体か、古いのか、新しいのか、とかそういうこと。


でね、何かを「いいね」って感じた時、単なる感覚とかセンスじゃなくて、「いいね」って感じる理由が必ずロジカルに説明できるはずなんだって。


展覧会では、それが一つ一つ分解されてたと思う。パネルを一つ一つ読みながら、この膨大な説明の集積がデザインなんだろうなぁって。本に書いてあった「デザインは細部に宿る」っていうのを、見せてもらったと思う。


■宇宙の入り口


展示の最後に展覧会のディレクターの佐藤卓さんという方のメッセージがあった。最初は気づかずに通り過ぎちゃって、後ろを振り返ったら、「あ、何か書いてある」って気づいて、戻った。


タイトルは「身近なものが、宇宙の入口」。以下抜粋。

大切なことは、何よりも想像力だと思います。想像力は、まず物事に興味を持つことがきっかけになります。興味が湧かなければ、脳の想像力は働きません。「なぜなんだろう?」という興味が入り口になって、その奥にある見えないものが見えてきたり、新しい発想に繋がったりするわけです。それでは、そもそも興味が湧くためには何が大切なのかを考えてみると、誰にでも備わっている「感じる力」だということに気づけます。

これを読んで、泣きそうになった。最近、社内で私の感覚を理解してもらえなくて、勝手に寂しくなってたけど、このまま自分の興味のおもむくまま動いていいのかもって思えた。


会社、サボってよかった。この言葉に出会うために、私は休んだんだと思う。