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はぐるま・タイムズ

組織の中でクルクルまわりながらキレイゴトを発信

上司からのエール

■上司と私


3年間お世話になった上司が異動になった。


はじめの頃は、ホントなじめなかった、上司に。
上司はグイグイひっぱって行きたいタイプ。
私は自分で自由にやりたいタイプ。


私は上司に干渉されるたびに心の中で怒ってた。
なんなのよ!って。
私だってちゃんと考えてるのに!って。
いや、むしろ私の方が考えてるのに!って勢い。


上司の指示に面と向かって反発もしてた。
そんなことやる意味ないと思います!とかって。


まぁ、かわいくない部下でした。


■私も悩んでた


でも、ナマイキ発言の裏で私も悩んでた。
なんでこんなにうまくいかないんだろ、って。
上司のことを受け入れられなくて、これじゃ昔と同じ。
私、全然成長してないやって。


この本ね、タイトルは好きじゃないけど、いいことが書いてある。
どうやったら他の人に力になってもらえるか。


苦手な上司についても。
人の長所とか短所とかは、主観的な印象だから、
あなたにとっては欠点に見えても、他の人から見たら長所かもしれないって。
だから、自分のモノの見方がすべてじゃないよって。


それとこれ。当時はここに線引いた。

会社で苦手な人をひとりつくれば、あなたの協力者もひとり減るということです。


■雪解け


ある時、上司の「定時に帰ろう運動」の進め方が気に入らなくて私は怒った。
今思えば、怒るようなことじゃなくて、普通に話せばすむこと。
でも、私は完全に感情でものを言ってたんだよね。


定時に帰れって言うのはいいけど、同時にみんなの仕事を
減らすサポートをしないと、みんな苦しいでしょ!ってな感じ。


そして、週末をはさんで月曜日。


「ちょっと話そうか」


上司が声をかけてくれて、その日の午後に上司と話をすることになった。


定時に帰ろう運動のことは最初の5分でおしまい。
あとは、お互いに今まで思ってたことをずっと話してた。


なんと4時間!
チームのみんなは私たちがいつまでも戻って来ないから
結構心配してたらしい。
ま、今では、これも飲み会のネタになってるけど。


上司は、今まで自分がアレコレ口を出さないと、
全然動かない組織にいたって話してくれた。
でも、これからは私のやり方を尊重するって言ってくれた。


私も、自分がこうだ!と思ったら、それ以外の考えを受け入れられなく
なっちゃうこと、それじゃいけないって思ってることを話した。
それから、さんざん生意気なことを言ってすみませんでしたって謝った。


ようやく雪解け。


■上司からのエール


あれから3年がたって、上司の異動が発表になる日の朝。
急に真面目な顔で上司に「ちょっといいか」って言われて。


上司は、指で曲がり道を描きながら、私に話してくれた。


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これからは、少しスピードを落とした方がいいかもしれない。

今までは、自分一人で、真っすぐビューンと突き進めばよかった。
これからは、周りの人もついていけるように、寄り道、まわり道をしながら
みんなを連れて一緒にゴールを目指すことも考えた方がいい。


みんなと一緒に山登りをするのは時間がかかる。
でも、みんなと一緒に一つの山を登り終えると、
次にもっと高い山に登ろうとした時に、そのうちの誰かが
必ず助けになってくれる。


はじめの山登りでみんなを置いて行ってしまったら
次の山を登る時に助けが必要でも、誰もいない。
そうなると、スタート地点まで戻って、誰かを連れてこないといけない。
でも、みんなには置いていかれた記憶が残っているから
ついてきてもらうのは簡単じゃない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


私が言うことを聞かないせいもあったと思うけど、
今までこういう「上司っぽいこと」を話してくれたことはほとんどない。
だから、ピンと来ちゃった。
もうすぐ異動なんだって。


いつも最短距離を正論だけで突き進もうとする私への
上司なりのエールなんだと思ったら、涙をこらえるのが大変だった。


今まで、言いたいことを言わせてくれ、やりたいようにやらせてくれたこと。
最後に「上司っぽく」真面目な話をしてくれたこと。
感謝の気持ちとともに、ここに残しておきたい。