ベトナム② シクロのおじさんにぼったくられた!?

注意喚起


シクロっていうのはこれ。自転車タクシー。自転車の前にイスがくっついてる。


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ガイドブックにはこう書いてあった。

都市部ではシクロは交通機関というより観光客相手の商売になりつつある。悪質なドライバーが非常に多いことを覚悟しておこう。無用なトラブルを避ける意味でも、都市部では利用しないに限る。

出典:地球の歩き方 ベトナム


はっきりと 利用しないに限る と書いてあります。


ですが・・・


人を疑うことを知らないピュアな・・・じゃなかった、いい年して危機意識ゼロの私は、あっさりシクロに乗り、まんまと・・・


さて、今日はそのお話。


早朝散歩


朝6時。仕事の前にお散歩。
                                                                                                                                                
私はこの通りを渡りたかった。向こう側にあるサイゴン川を見たかったのだ。


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でも、信号ないし。バイクがビュンビュン通ってるし。どうしたもんかな・・・って思ってたら、向こう側から渡ってくる勇者が・・・!


お兄さん、すごいっす!でも、私には無理だよぉーーー!!(泣)


と、その時。


足踏みする私の前をシクロのおじさんが通りがかった!


そして親切にもシクロから降りて、私の手を取り、車やバイクが行きかうこの通りを一緒に向こう側まで渡ってくれた。


いい人だ。ほんと、助かった!おじさん、ありがとう!


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写真撮ってもいい?って聞いたんだけど、なぜか"No photo."って言うからこっそり後姿を撮った。そこでおじさんとはバイバイ。


ちなみにサイゴン川はこんな感じ。正直、そんなにきれいでは・・・。


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そんな訳で、もう早いところホテルに戻ろうと思った。再び通りを渡らなくてはとウロウロしてたら、どこからともなく、おじさん再登場!


ホテルまで”Fifteen”で送ってあげるよ、と言う。私はFifteen=15,000ドン=75円だと思って、じゃあよろしく!ってな感じであっさりシクロに乗車。


シクロの旅


シクロはとても快適だった。案外スピードも出て、風が気持ちいいし、乗り心地もよくて、あ~乗ってよかった~!って呑気な私。


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おじさんは、日本人街を通ってくれて、日本語の看板を見つけるたびに"Japan, Japan!" って嬉しそうに教えてくれた。


それから今、ホーチミンでは日本の支援で地下鉄をつくってるんだけど、その工事の看板の横も通って"Japan! Subway! Yeah~!!"ってテンション高め。


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地下鉄ができるのを喜んでくれてるのかな、って思ってちょっと嬉しかった。そうやって日本が貢献できるのも、現地の人に喜んでもらえるもの嬉しい。


旅の終焉


15分後。なんだか見慣れないところで停車。どうやら到着っぽい。


あれ?ここホテルじゃないけど?って顔をすると、ここの角を曲がればすぐホテルだから、ってジェスチャーで教えてくれる。どうやらホテルの前の道はシクロ禁止らしく、ホテルの一歩手前のところで降ろされたらしい。


あ、そういうことね、と思ってお金を払おうとすると、おじさんがニコニコ顔から一転、険しい表情で"Fifteen Hundred"という。そして"150,000VND"(750円)と書かれた紙を見せてくる。最初聞いていた額の10倍だ。


あ・・・!


これ、ぼったくりじゃん!!


そういや、ここ、人通り少なっ・・・!?


ようやく自分の置かれた状況を理解した私。遅いよ、私・・・気づくの遅すぎるよ・・・!(泣)


でも、こんなのすんなり払う訳にはいかん!


"I am not paying!"


最初の値段と違うでしょ!うそつき!それにホテルの前に着いてないし!約束が違うじゃん!ってまくしたてる。


でも、おじさんも譲らない。怖い顔で"Fiftten Hundred!"って連呼してる。


そんなに言うならと、私はリアルFifteen Hundred=1500ドン(7.5円)を出す。


おじさんはあきれた顔をして、こんなんじゃタバコも買えないと言い返してくる。


そんなこんなで5分くらい言い合った後、私は、やむなく妥協点を探すことにした。朝からこんなことでエネルギーを使いたくないし、それに、私は仕事に行かねばならないのだ。私は、言い値の半額の75,000ドン(385円)をお財布から出した。


そしたら、おじさんは急に笑顔になって、OK! OK!とな。


あまりの変わりっぷりに拍子抜けしつつ、私も戦闘モードを解除。それから、おじさんの肩をたたいて日本語で言った。


お金は払うけどウソはダメだよ。私はベトナムの人が大好きだけど、こういうのはキライ。ウソはダメ!


おじさんはヘラヘラ笑ってた。私はモヤモヤしてた。でも、最後は写真を一枚撮らせてもらって、笑顔でバイバイ。


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おじさんの仕事


ホテルまで歩きながら考えた。おじさんにも生活があって、毎日こうやってお金を稼いでる。毎日毎日、お客さんをだまして、喧嘩して、嫌われて。そこに働く喜びなんて微塵もないだろうと思ったら、なんだかちょっと悲しくなった。後で職場の人に教えてもらったけど、シクロの運転手さんは貧しいのだそう。それに、ベトナムには生活保護もないとのこと。


私は、おじさんは単なるぼったくりではないと思ってる。日本人街を通って"Japan!"って嬉しそうに言ってくれたのは、おじさんなりのサービスだったと思う。


私は思った。だったら、最初から正々堂々と15分 75,000ドン(385円)でビジネスをすればいいではないかと。観光客相手なら全然高くない。浅草の人力車は15分で3000円だ。ぼったくり蔓延でシクロに乗りたいけど諦めてる観光客も多いはず。


何より、私はおじさんに人に感謝されるような仕事をしてほしい。働く喜びを知ってほしい。


それから、私だって笑顔で言いたいんだ。「おじさん、シクロ楽しかったよ、ありがとう」って。